2012.12.27-28 Nakhodoka in Russia

ナホトカ・ロシア



12月3日インドのバディーナール港を出港、シンガポールで揚荷したあと、久しぶりに極東に戻った。韓国のウルサン港で積荷、関門海峡を通過し岩国港入で揚荷をした後、関門海峡を通過しロシアのナホトカで積荷をすることになった。ロシアは隣国とはいえ何故か遠いところにある国に感ずる。ナホトカは、ロシア連邦の極東部、沿海地方にある商港都市である。第二次世界大戦におけるシベリア抑留では、多くの日本人将兵がこの港から帰国した。沿海地方では、ウラジオストックに次ぐ港である。



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関門海峡を通過した翌日、韓国の鬱陵島を過ぎたあたりで発達した低気圧が来襲してきた。冬の始まりで寒冷前線の背後から寒気の補給を受けた低気圧は、猛烈に発達し暴風雪が吹き荒れる。最大風速は40m/秒を越しただろうか。台風並みである。船首方向から暴風を受けた船の速力は極端に落ち前に進まない。凪であれば通常15ノット(時速27.8km)でる船のスピードは、4ノット(時速7.4km)まで落ちる。これだけの強風が吹けば大きなうねりが起こり、激しい縦揺れ(ピッチング)が起こり、高波の上に持ち上げられた船首が海面に落ちる瞬間、船体に激しい衝撃(海事用語ではスラミング言う)を受けることがあるが、うねりが思ったより大きくないのと、前から受ける風があまりにも強く船速がでないからだろうか、スラミングが不思議と起きない。船は、吹雪の暗闇の中を北に向けナホトカに向かう。

ナホトカには、PSC(ポート・ステート・コントロール:旗国の船舶関係官庁が行う船舶に対する検査で、救命設備、防火設備、航海設備等に関する検査が行われる。)で船社会の中では有名な検査官がいる。名前は、紀元前のヨーロッパからインドにわたる大帝国を打ち立てたマケドニアの覇王と同じ名前で、執拗な厳しい検査で船は苦しめられる。20項目以上の沢山の指摘を受けた船は、世界のオイル・メジャーからの用船を断られることがあるからだ。運ぶ荷物(油)が無くなり商売ができなくなるのだ。通常検査は、6か月おきに行われるが、タンカーには必ず来るというので、大時化の中、乗組員は入港前から準備に大わらわだ。

暴風雨をもたらした低気圧は通り過ぎ、船は広いナホトカ湾に入って行く、ナホトカの入港管制所(Port Control)の指示に従い湾内の西側の石油積み出桟橋の近くの錨地に投錨する。着桟の許可の出た船は、パイロットの操船により夜中に石油積出桟橋に着桟する。気温は急激に下がり零下20度前後だ。桟橋周辺の小高い山々には、ひな壇のように小さい石油タンクずらりと並んでいる。近くにある小島の岬に上に十字架が立っているのが見える。今回の積荷はナフサだが、温度がマイナス11度で許容温度(マイナス10度)を下回っている。積荷を行うと鉄板で出来ている船体に与える悪影響(鉄の膨張・収縮)がでてくる可能性がある。会社と打ち合わせを行い、積荷を行うことに決定する。何事もなく積荷作業は順調に進んでいく。 案の定、突然例のPSCの検査官が乗船してくる。あ!!この男が例の○○か!!頑固そうだ。彼の名前は数年前からしっていたが、実際に会うのは初めてだ。丁重に船に向かい入れ検査が始まる。詳しく証書の検査が行われその後、船内を回って不備がないか調べられる。事前準備もあり、結局指摘は8項目で事なきをえた。しかし理屈っぽい手強い検査官であった・・・。

船は無事積荷を終え、揚地の韓国へ向かう。




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